雑食系 国語教師の【Pillow Book】

春はあけぼの。国語とか教育とか、音楽とかメディアとか、旅とか社会とか人間とか。日本。

【楽曲紹介】Official髭男dism×"教育"(第2弾)

自己満企画第2弾です。

テーマは引き続き、「Official髭男dism×"教育"」。

 

アクセス数を見る限り、やはりテーマのために見る人は限られてるな(ある程度髭男好きな人に)とは思うのですが、新たな楽曲の味方とか、あるいは楽曲からインスパイアされて考えたことなどを、たとえ1人にでも伝えられたらなと思うので続けます。

 

それに今日はちょっと読んでほしい!ヒゲダン、教育、より先の大事な話。

 

あと第2弾で終わるつもりだったのですが、第3弾まで続けます。

というのもですね、前回書きかけだった紹介があってそれを次に回そうと思っていたのですが、ちょっとタイムリーな話が世に流れてできるだけすぐ発信したいと思ったので、今日はいつもより短いと思いますが、1曲に絞ってお話します。

ちょっと今日は、マジメな感じなっているかもしれません…。

 

今日ご紹介したいのは、この楽曲です。

 

■What's Going On?

第1弾で紹介した『未完成なままで』が収録された作品集のタイトル作品です。

曲調やアレンジはタイトルのポップさ(?)の通りという感じなのですが、前半の歌詞の、あまりにもストレートな痛ましさには、正直最初「エっ…」と少し思ってしまいました。

ああ神様 どうして生きてく事はこんなに辛い事ことなんだろう?

感情がなくなってしまえば苦しくないのに

ねえどうして人は言葉で人を殺せるようになってしまったんだろう?

画面から飛び出した文字はナイフみたいだ

過去にもそうやって人生めちゃくちゃにされて

大切な仲間が一人命を絶ってしまった

 

いや、ちょっと、曲調とミスマッチすぎるくらい重すぎる。…と最初は思うんですが、それくらい深くえぐられるからこそ、後半の「エール」がとても響くんじゃないかと僕は思います。もちろんここまでのストレートな歌詞を使うことに賛否はあるでしょうが、少なくとも僕は、もうラスサビなんか感動ものです。

歌詞の内容から察するに、一人称は「エール」を送っている人物――おそらく、サビの「イヤフォン付けたら一人じゃないから」ってところから考えると、主語は「ヒゲダンかな?」と思うのですが、その相手は、いじめを受けている人だと思われます。それもSNS系の、ことばによる誹謗中傷。

TwitterとかLINEとかでのいじめや嫌がらせは、周りは簡単に見つけることができないうえに、被害者はそこから常に逃れることができません。かつてのいじめは、(もちろんこれも深刻でしたが)家に帰れば、あるいは別のコミュニティに行けば、少しは解放されていたかもしれません。しかし、どこにいても付きまとい、逃れられないのがSNSいじめの深刻であり恐ろしいところだと思います。

 

でも、それでもなんとか頑張ろう。生き抜こう。いつかはあいつらも飽きる。そうすれば、夜明けはくるさ。とヒゲダンは後半にメッセージを贈ります。そして僕が感動した後半の歌詞。

What's going on? 愛してるよ この手を掴んでよ

生き抜くことが反撃のビートだ 傷は消えないけど

What's going on? 愛してるよ 黒焦げた世界を

超えていこうよ 一緒に未来へ行こうよ

歌詞の内容に加えて、壮大な曲の展開の仕方と、藤原さんの熱い気持ちのこもった歌い方も相まって、本当に涙が出ますね。

辛い思いをしている時って、これが一生続くんじゃないかって思ってしまうけど、そんなことはほぼ絶対なくて、生きてさえいればどうにでもなれるし、これまで自分を見下してきたやつを見返してやることもできる(見返すことが良いこととは思わないけど。自分の人生を生きることが大事だから)。負った傷は消えないけど、それでも生きて、素敵な未来へ進もう、という熱いメッセージを受け取ることができると思います。

まだの方は、ぜひ聞いてみてください!

 

www.youtube.com

 

 

それで、これを今日中にと思ったのは、「木村 花」さんという若い女性の死のニュースが先ほど流れたためです。

正直僕は、最近のテラハは見ていないのでこの方も存じ上げなかったので、やはり、SNS等での誹謗中傷による(かもしれない)死というのは見過ごせないなと思ったのです。

"What's Going On?"に描かれているようなシーンが、現実に起きてしまったんだな…と。

僕も最近ツイッターをアクティベイトしたのですが、他の方のツイートを見ていると、個人攻撃のような投稿はいまだに巷にたくさん溢れているようで、それはとても胸が痛むしそもそも有害無益だなと思います。

彼女が番組内でどういうキャラクターだったのかとかは全く知らないのですが、それでも少なからず彼女のファンはいただろうし、テラハなどを中高校生などが見ていたとしたら、そこに出演していた人の死というのが与えるインパクトは小さくないと思うのです。一部だとしても、それで傷ついてしまう人がいたならば、そんなに悲しいことはありません。

 

政策や制度自体への批判や訴えというのは、一般民衆の声を政策決定者に届けるためにも有効だと思いますが、それが個人批判なっていたとしたら、それは間違っていると思います。でも、そこを混同したような投稿が、特にツイッターには多いように感じる。とても残念です。

コロナという人外の生物により世は殺伐とし、人は距離を取らざるを得なくなりました。それでも人は人とのつながりを求めるので、以前よりもおそらくメールやLINE、SNSという言葉のみによるコミュニケーションは増えているのではないかと思います。そういう今だからこそ、ことばの使い方をもう一度考えなきゃいけないと強く思っています。

ことばは平和のためにあるのであって、戦争のためのものではない。

 

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今日は少し硬く暗い話になってしまいました。

でも、理想と分かっていても、こういうことが起きなくなってほしいから、それに少なくとも、僕の周りにいる人には、そういうのに加担してほしくないから書きました。

 

そして、普段はそこまで意識していない曲でも、よく聞いてみると、すごく深いことを言っていたり、伝えたいメッセージがあるんだなっていうことにも気づいてもらいたいなと改めて思ったので、この楽曲紹介記事は続けたいと思います。

またそのうち、ヒゲダン以外ももちろんやりますので!

 

次回は僕の中で一番大好きなヒゲダンの曲の紹介をします。とても強く熱いメッセージ性を持った曲も紹介するので、ぜひまた読んでください。

 

 

それでは!